2014年5月21日水曜日

旅と出会い

象潟での池田修三展「いろどり」が終わって、
まだ2週間しか経っていないんですね。
かなり前のことのような気がしますが…

この度、展示会場で掲示、配布した「象潟のんびり散歩地図」を、
作成するにあたり、あらためて象潟を散策しました。
今までも度々訪れてはいたのですが、
それでも、新たな発見や出会いがありました。
まさに「小さな旅」でした。
海があって、山が見えて、温泉があって、様々な商店があって、
人との出会いがあって、昔ながらの町並みがあって…
歩いて行ける範囲にすべて点在しているのが魅力的です。

今回は会期中に鳥海山にも行きました。
鉾立から見る景色は澄んでいて眺めが良く、
標高差による気候の変化がまた心地良い場所でした。
山の上で、多くの人と出会えたことも楽しい思い出です。

そこで思ったのですが、池田修三展といい、鳥海山といい
もしかして象潟は旅人が集まる町なのでは?
松尾芭蕉も訪れていることですし…

展示会場で地元のボランティアの方から、
「町なかで、地図を手にして歩いているひとが結構いたよ」と聞きました。
地図をきっかけにして色んな旅があったのかなと思うと、
なんとも感慨深いものがあります。
























2014年5月6日火曜日

気軽なつもりが

続いております鳥海山日記!

今回はちょっと趣をかえて、
象潟ではなく、矢島口の祓川から登ってみました!
といっても、途中まで行って引き返す予定。
初心者ですから無理は禁物。
今回は、スキーの先輩を誘って2人で登ることに。


行ってみるとビックリ。
週末のスキー場かのごとく駐車場には車が!
以前、鉾立で会った写真を撮るおじいさんが、
「祓川は人が多いくて車が200台近くあるよ」と
言ってたことは本当でした。
車を見るとやはり半分以上県外ナンバー!
鳥海山は本当に色んなところから人が集まってくるんだな〜

祓川は鉾立と違って目の前にドーンと鳥海山が鎮座しています。


























この日は温かく、フリースで登るとちょうどいい感じ。
いざ出発〜!もくもくと登ります。
私のスキーは中古なんですが、おまけで付いていたシールが、
意外にも滑らずいいペースで進めました。
前を見ると山頂が近づいてきましたね〜


























しかし、登りはきつい!
でも、意外にも楽しい!
体力も考えて、あまり力まずそして淡々と登ります。
フッと横を見ると、いったいどこから来たのでしょうか?



そして、3回くらい急斜面を登ったところで休憩をすることに。
前回、象潟口を登ったときはスキー板しか写せなかったので、
今回はちょっと工夫して、スキー板ごしの斜面を撮影。


























腰をおろすと、駐車場から一緒のペースで登っていたおじさんも休憩していました。
あいさつを交わし、「そろそろ滑ります」と言うと、
「若いんだがら、もうすぐ山頂だ!頑張れ!」と、気合いをかけられる。
まわりの人を見ると、スキーアイゼンを装着するか、
スキーを背負って登るか、なにやら装備を変更しています。
ということは、ここから斜度がキツくなるのは明確。
そして、かなりの強風。立っているだけでも煽られるくらい。
フリースでちょうど良いなんて言っていられない寒さです。
そのためか、斜面はガリガリでボコボコ。

まあシールは意外に効くけど…
そこで、先輩に「もう滑ろうよ」と言うと、
意外にも、「もうすぐ山頂だや!登んなくていいのが!」と言われ、
「え〜」と思いながらも、登る決心をしました。
先輩はそれまで、ペースが遅かったのですが、
今までのペースが嘘のように猛烈に登りはじめました。
ちょっと気持ちがついていかず「なんでこんなところ登るんだろう?」
と思っているところに、ちょうどシールのみで登っている人と出会い、
「シールだけで行けますかね〜」と聞くと、
比較的登りやすいルートを教えてくれました。
といっても、さっきも言いましたが、
雪面はボコボコで急斜面。一歩を踏み出すのになかなか勇気がいりました。
でも、焦らず着実に行くしかありません。こなるともう必死です。
やっと山頂らしきところが見えるも、これがなかなか着かない。
階段をトンットンと2段飛びすれば登れそうな距離にも見えますが、不思議なものです。
最後は気合いで一歩一歩と登り、やっとのおもいで到着!


























山頂は気持ちいいなと思ったのもつかの間、高所恐怖症の私。
ちょっと股間がざわざわしながら昼食をとることに。
そして、山頂には意外に人がいてビックリ。
パンやカロリーメイト、カップラーメンとみなさん様々なものを食べていました。
特にカップラーメンは、湯気が立ってて寒い山頂ではとても魅力的。
いや〜いいなと思うけど、鍋とか持ってくるのが大変そうだな〜


























私もスキーを脱いで腰をおろし、何気なく振り向くと途中休憩のとき会ったおじさんが!
「おじさん登ったよ!」と言うと、「なんと!本当に登って来たのが!?」と驚きの様子。
そして、一緒にいたおかあさんが笑顔で「この人無責任だからね〜」と一言。
なんと!してやられました。でも、おかげで山頂まで登れたのでラッキー!
おかあさんから、グレープフルーツとパインのお裾分け。山頂で食べる果物は格別です。
そんなこんなしていると、先輩が到着。いつのまにか追い越していたようです。

昼食もすませ、いざ滑走!
相変わらず斜面はガリガリでボコボコ。
初心者の私は、ほぼ横滑りでしか下りられません。
ある意味、登りよりも怖い。
高度が低くなるにつれて、雪はシャーベット状に。
こうなるとやっと楽しく滑ることができますが、今度は足が痛い。
登りの疲れとブーツが合わないのが原因か?
それでも、広大な斜面を滑るのはとても気持ち良いものです。

あっという間に駐車場に到着。
登りは約3時間半かかったのに下りは休憩いれて約40分。
帰り支度をしながら滑り終わった鳥海山を眺めて、「いや〜滑ったね」と話していると、
先輩がなんだか痛みに耐えている様子。
事情を聞くと、登りで休憩したときに軽い靴擦れをおこしていて、そのまま山頂を目指し、
半分登ったときには激痛に。でも時すでに遅し。もはや後悔の念しかなかったと言うのです。
「そんな〜無理しなくても!言ってくれれば〜」と言うと、
「やせ我慢だ!」と言い、靴下を脱ぐと両足がえらいことに。
帰りの温泉はお預けとなりました。本当に無理は禁物ですね。


























次は山頂まで行かなくても、途中で滑ることにしよう。

2014年5月5日月曜日

うら山気分で

またしても鳥海山。

今度はスキーに挑戦しました。
はじめてスキーを買ったのは2年前こと。
その間、5回しか滑っていませんが、
ハの字はできるようになったので、
ここ最近、鳥海山に行ってはスキーをしている人から情報収集。
「ちょっと登るくらいなら、初心者でも行けるよ」という情報を
聞いて行ってみました。

スキーを背負って原付にまたがり、いざ出発!
登山口に着いたとたん、滑り終えたスキーヤーに囲まれる。
「どっから来たの?」「なんで原付なの?」「寒くないのか?」と、
質問攻めにあいたじたじ。質問に答えながらも初心者だと話すと、
スキー靴の履き方から、スキーのシールの付け方まで、
色々と教えてもらい本当にありがたかったです。

うら山気分でちょっと登りに来ただけなのに、
みなさんに、見守られながら登りました。
前回登ったところより少し先を目指すことに。
スキーはゴム長みたいにうまらないので登るのは少し楽!



























この日は曇りでしたが、ちょっと登っただけでもこの景色。
空と海がどこまでも広がっています。






一応スキーの写真も撮ってみました。


凄い高いところに挑戦するわけでもなくちょっと登るだけなのに、
ベテランスキーヤーのみなさんに囲まれて、
はじめは、申し訳なさと恥ずかしさでいっぱいでしたが、
お互いに山が好きということで、すぐに打ち解けることができました。
そして1人で滑るはずだったのが、4人で楽しむことに。

滑り終わってから、お世話になったお返しに、みんなで、象潟パンを食べました。
濃いピンクのウェハスでサンドされたパンを見るなり、
ギョッとしながらも、「あっさりしててうまいね〜」とワイワイしながら
食べ終え、みんな次の目的地へ向かいました。
埼玉から来た人は山形でキャンプ。
広島から来た人は青森の岩木山を目指すとのこと。
別れ際の言葉は「来年もここで会うかもね〜」てな感じで…

この季節、スキーを堪能できる山は限られているのか、
鳥海山で出会う人は県外の方が本当に多いです。
いや〜みなさん良い旅をしてますな〜
帰り道、海と山が近いだけあって、雪山を下りると夕日が綺麗でした!



2014年5月3日土曜日

二人の版画家

私の母の恩師と象潟の池田修三展へ行ったときのこと。

朝、迎えに行くと自宅の壁に池田修三さんの作品を発見。
私の中で、池田修三さんの版画といえば花や鳥、少女の印象が強いのですが、
見つけた作品は生活感があってちょっと新鮮でした。


























いろりの火を見つめる少年とあやとりをする少女。
少年の足をみると、寒そうだなと思ったり、
いろりの鍋の中身が気になったりと、画面を見ていると、
想像がふくらんで、ずっと見てしまいます。

そして、母の恩師もまた版画家で、
作品は日常の風景を題材にしたものが多く、
画面からは飾り気のない生活の営みが感じられます。


















今では、あまり見かけなくなった原風景を見ていると懐かしくもあり、
少し切なくなる反面、作品には秋田県内の風景が題材になっているものもあるので、
版画の中に描かれている風景を発見したり、
似た風景を見つけたりすると嬉しくなります。

どちらも、私に秋田の良さをしみじみと教えてくれる作品です。

池田修三さんの作品を見て、恩師が版画にまつわるエピソードを話してくれました。
少ない言葉でしたが、作り続けてきた版画家同士の苦労や、
それを乗り越えて作り続ける難しさを聞くと、作品のテーマはシンプルでも、
そこには並々ならぬ想いが込められているんだと、つくづく感じました。